は、とんだお茶番《ちゃばん》さ」
「先生、じょ、冗談じゃありませんぜ。いったい、誰があんなことをしたんです」
「猫女だよ」
「猫女あ……?」波立二《なみたつじ》がとんきょうな声をあげた。
「猫女といやあ、いつか首領の手から、黄金メダルの半ペラをうばっていった……」
「そうそう、あいつだ。あいつが暗闇のなかからとびだして、わしをあんな眼にあわせおったのだ。あいつはほんとに闇のなかでも眼が見えるらしい」
さすがの荒くれ男も、気味悪そうに顔を見合せた。
「それじゃ、先生、あいつがまた、この山塞へしのびこんだというのですかい」
「そのとおり、あいつはまるで空気のように、どこからでもこの山塞へしのびこむのだ。ひょっとすると、まだそこらの闇にしのんでいて、だしぬけにズドンと一発……」
「いやですぜ、先生、気味の悪い。いかにあいつがすばしっこいたって、忍術使《にんじゅつつか》いじゃあるまいし……」
「いや、そうではない。あいつは暗闇のなかで、眼が見えるくらいだから、忍術も使うかも知れん。だって、考えてみろ。いつかの晩だって、電気が消えたと思ったら、そのとたんあいつの声が四馬頭目《しばとうもく》のう
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