ッと床《ゆか》のうえに起きなおった。
 いちばんノンキな牛丸平太郎までが眼をさまして、
「なんや、なんや、いまの音……」
 寝呆《ねぼ》けまなこをこすりながら、顔中を口にして、ううんと大欠伸《おおあくび》をした拍子《ひょうし》に、またもやドカーン。
「わーっ」牛丸少年はうしろへひっくりかえった。
「おじさん、六天山《ろくてんやま》の方角ですよ」
「よし、外へでてみよう」
 戸倉老人はさきに立ってでかけたが、何思ったのか、
「いや、ちょっと待て」
 と、春木少年の肩をとってひきもどした。
「おじさん、ど、どうしたんですか」
「あれ……あの音をお聞き」
 戸倉老人の顔は、するどい刃物《はもの》のようにひきしまっている。
 その声に、春木と牛丸の二少年も、ギョッとして耳をすましたが、と、どこからか聞えてくるのは、ブーというかすかな唸《うな》り声《ごえ》。ヘリコプターなのだ。東のほうから、しだいにこちらへ近づいてくる。
 牛丸平太郎はガタガタと胴ぶるいをした。
「おじさん、まだ、ぼくらを探しているのでしょうか」
「さあ?」戸倉老人が、首をかしげたときである。またもや、ドカーンと物凄《ものすご》
前へ 次へ
全242ページ中164ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング