ようりょう》は同じことであった。
「……あの黄金メダルの半ぺらを、わしが手に入れたときは、わしはある汽船に船医《せんい》として乗組んでいて、たまたま地中海を通ったのだ。そのときわしの乗っていた汽船が舵器《だき》に故障を起したので、その某島へ寄って修理をやった。そのために前後五日間そこに仮泊《かはく》していた。その間に、わしははからずも黄金メダルを手に入れたのじゃ。……どうしてそれを手に入れたか。そのことは、宝探しには直接関係のないことじゃから、おしゃべりしないでおくよ」
 老人は、そういってことばを結んだ。なにかいいにくいことがあるにちがいないと、春木はそう思った。
 とにかく、おどろくべきことだ。
 今までは、一片《いっぺん》の屑金《くずがね》にすぎないではないかと軽く見ていたが、こうしていわれ因縁《いんねん》を聞くと、海賊王デルマの死霊《しれい》が籠《こも》っているように気味のわるい品物に思えた。
「惜しいことをしました。あれを盗まれてしまって、まことに残念です」春木は、ほんとに残念でならなかった。
「まあ、よいわい。わしが自由の身になったからには、なんとかして取戻す方法がないでも
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