《こじり》の小屋が、豆つぶほどに見える。
(ここまでくれば、もう大丈夫だ)
と、三人が三人とも、そう思った。入日《いりひ》の残光《ざんこう》が急にうすれて、夕闇《ゆうやみ》が煙色《けむりいろ》のつばさをひろげて、あたりの山々を包んでいった。と、東の空に、まん丸い月が浮きあがった。満月《まんげつ》だ。三人は危険《きけん》の身の上をしばし忘れて、ほのぼのと明るい月に向きあっていた。
その夜、戸倉老人は、春木少年から黄金《おうごん》メダルに関するこれまでの話を聞き、少年が思いがけない苦労をしたことに深い同情のことばをかけた。そのあとで老人は二少年から問われるままに、海賊王デルマがこしらえた黄金メダルの二片について、彼の知っているだけの秘話《ひわ》を月明《つきあかり》の下で物語った。
「わしも、デルマの黄金メダルの秘密について、全部を知っているわけではない。もし全部を知っているものなら、こんなところにぐずぐずしていないで、さっそく宝を掘りあてることに夢中になっているはずじゃ。正直なところ、わしはデルマの黄金メダルの秘密については、おぼろげながらその輪廓《りんかく》を多少聞きかじっているにす
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