ながそで》から愛用の毒棒《どくぼう》をつきだしている。
「うッ!」博士は青くなって、さっと両手をあげた。あの毒棒は、押|釦《ボタン》一つおすと、一回に十本の錐《きり》が、さきにおそろしい毒をつけたまま、相手の身体にぐさりとつき刺すのであった。その毒の調合をしたのは、机博士自身であったから、その猛毒については誰よりも博士が一番よく知っている。だから博士が青くなって両手をあげたわけだ。
「この間から、どうもお前の様子がへんだと思っていたが、この部屋でいったい何をしようと思っていたのだ」
 頭目は落ちつき払った中に、憎《にく》しみのひびきのはっきり分る声で、博士をきめつけた。
 博士は、口をかたくつぐんでいた。
「いうんだ。いわないと、こいつがとんでいく。お前がよく知っている恐ろしい毒矢《どくや》がくらいたいか、それともいってしまうか」
「黄金メダルの半分の写真でもお持ちなら、ちょっと見せていただきたいと思ったのです。それだけです」
 博士は、ついに返事をした。
「それだけだって。ふふン」と頭目は皮肉《ひにく》に笑って、
「しからば、お前はチャンフーのところから、三日月形の半ぺらを持ってきた
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