態度にますます恐縮《きょうしゅく》して、彼もまた一生けんめいになって破片を拾った。
しばらくしてそれは終った。小竹さんはそのまま立ち上り、外へでた。そして入口に錠をかけりて立ち去った。その小竹さんのおだやかさに、牛丸は始めたいへんに叱られると思っていただけに非常に意外で、小さい窓口から小竹さんのうしろ姿を見送っていた。
そのときであった、彼はうしろから、かるく背中を叩かれた。
[#底本では1字下げしていない]おどろいた、このときは! この監房には自分の外に誰もいないのだ。だから少年はびっくりして、その場にとびあがったのだ。ふりかえった。
「あッ」
「しずかに!」白いきれを頭からすっぽりかぶり、すその方まで長くひいた怪物《かいぶつ》が、子供の声をだした。その白いきれがとれ、中から少年の顔がでた。
「あッ、春木君!」
「牛丸君。よくぶじでいてくれたね」
「ぼくを助けにきてくれたんやな。こんなあぶないところへ、よくきてくれたなあ」二人は、ひしと抱きあい、頬と頬とをおしつけて涙をとめどもなく流した。
どうして春木少年は、このおそろしい山塞にもぐりこんだのか。また、小竹さんが、なぜ春木少
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