ようにつぎからつぎへと毒針《どくばり》がとびだしてくる。机博士はみるみるうちに、全身《ぜんしん》針鼠《はりねずみ》のようになって、床のうえに倒れ、しばらく七転八倒《しちてんばっとう》していたが、やがて、ピッタリ動かなくなった。
これが悪魔のような机博士の最期《さいご》だったのだ。
小男はヒヒヒヒと咽喉《のど》の奥でわらうと、
「どうだ、木戸、仙場甲二郎、おれの腕前はわかったか。おれを裏切ろうとするものはすべてこのとおりだ。どうだわかったか」
「シュ、シュ、首領……」
木戸と仙場甲二郎は、あまりの恐ろしさにガタガタふるえながら、
「あっしは何も首領を裏切ろうなどと……」
「そうか、おれが小男とわかってもか。ふふふ、なるほど、おれは小男だが、ここにいる娘は恐ろしいやつよ。こいつはな、暗闇《くらやみ》でも眼が見えるのだ、そして、男より力が強く、人を殺すことなど、屁《へ》とも思っていないのだ」
「お父さん、何をぐずぐずいってるのよ。それより早く、鰐魚《がくぎょ》をのけて、二つの穴に黄金メダルを入れなさいよ」
ああ、恐るべき立花カツミ。彼女は机博士が針鼠のようになって死ぬのを見ても、平然として眉《まゆ》ひとつ動かさなかったのだ。
「よし、よし、おい、木戸、仙場甲二郎、その壇《だん》のうえにある鰐魚を二つとものけてみろ。ああ、のけたか、のけたらそこに、穴が二つあるはずだが、どうだ」
「はい、首領《かしら》、ございます、ございます」
「ふむ、あるか、それではな、このメダルをひとつずつ入れてみろ。右の穴には右の半ペラ、左の穴には左の半ペラ……入れたか、よし、それじゃアな。おれが号令《ごうれい》をかけるから、それといっしょにぐっと押してみるんだぞ、一イ……二イ……三!」
そのとたん、轟然《ごうぜん》たる音響《おんきょう》が、ヘクザ館の塔をつらぬいて、暗い夜空につっ走った。カーテンのかげにかくれていた一行七人は、一瞬《いっしゅん》、足下が水にうかぶ木の葉のようにゆれるのをかんじたが、つぎの瞬間、こわごわカーテンのかげから顔をだしてみると、こはそもいかに、木戸も仙場甲二郎も、小男も猫女も立花カツミ先生も、さてまた、針鼠のようになって死んだ机博士も、みんなみんな影も形もなくなっているではないか。春木少年はちょっとの間、狐《きつね》につままれたような顔をしていたが、やがてこわごわカ
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