ぎ》ったばかりに、宝の山へ入っても、手を空《むな》しゅうしてかえるよりほかはないのじゃ。わっはっは、わっはっは!」
 四馬剣尺が腹をかかえて笑っているとき、ギリギリと奥歯をかみ鳴らした机博士、物凄《ものすご》い形相《ぎょうそう》をしたかと思うと、いきなり四馬剣尺の体を背後《はいご》からつきとばした。
 と、これはどうだ。
 あのいわおのような体をした覆面《ふくめん》の頭目の体がふがいなくもフラフラよろめいたかと思うと、やがて、腰のへんからふたつに折れて、ドシンと床にひっくりかえった。
「おのれ!」四馬剣尺は覆面のなかで叫んだが、どういうものか、モガモガ床で、もがくばかりで、なかなか起きあがることができないのだ。木戸と仙場甲二郎が呆気《あっけ》にとられてみていると、やがて、四馬剣尺のダブダブの服のなかから、ピョコンととびだしてきたものは、ああなんと、小男と立花カツミ先生ではないか。
 カーテンの陰にかくれていた七人も驚《おどろ》いたが、それにも増してびっくりしたのは木戸と仙場甲二郎。まるで蛙《かえる》でも踏んづけたように、ギャッと叫んでとびあがった。
 このなかにあって、唯ひとり、腹をかかえて笑いころげているのは、悪魔《あくま》のような机博士だ。
「わっはっは、わっはっは、東西東西、覆面の頭目、四馬剣尺の正体とは、男のような女に肩車《かたぐるま》してもらった小男とござアい。わっはっ、わはっはっは! やい、その女、貴様は小男の娘だろう。そして、猫女とは貴様のことだな。貴様は親爺《おやじ》と同じ服のなかに入って、われわれをさんざんおもちゃにしやがった。やい、木戸、仙場甲二郎、相手はこんな小男と、たかが女とわかっちゃ何も恐れることはないんだ。こんなやつのいうことを聞くより、この机先生の乾分《こぶん》になれ。そいつらふたりをやっつけてしまえ」
 だが、このとき、机博士は、四馬剣尺の恐ろしい武器のことを忘れていたのだ。
 机博士は、最後の言葉もおわらぬうちに、
「あっちちちち」と、叫んで右の眼をおさえた。見ると、太い針がぐさりと右の眼につきささっている。
「あっちちちち」
 机博士はふたたび叫んで、今度は左の眼をおさえた。同じような太い銀の針が左の眼にもつっ立っている。
「あっちちちち、あっちちち、わっ、た、助けて……」
 小男のかまえた毒棒《どくぼう》からは、まるで一本の糸の
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