ーテンから外へでると、
「ああ、みんなきて下さい。あれあれ、あんなところに……」
 その声に、一同がバラバラとカーテンの影からとびだしてみると、聖壇《せいだん》のまえ方六メートルばかり、ぽっかりと床に大きな穴があいていて、そのなかを覗《のぞ》いてみると、数十メートルのはるか下に、黒ずんだ水がはげしく渦《うず》をまいていた。そして、その渦にまきこまれ、小男も、立花カツミ先生も、机博士も、木戸、仙場甲二郎も、みるみるうちに水底ふかく沈んでいったのである。
「おとし穴ですね」
「ふむ、おとし穴だ」秋吉警部は顔の汗をぬぐいながら、
「しかし、どうしてあんなことになったのでしょう。黄金メダルに書いてあることは、それでは、ひとをおとし入れるための、嘘《うそ》だったのでしょうか」
 戸倉老人はそれには答えず、聖壇の左の穴にはめこまれた黄金メダルの半ペラを取りだして、裏面《りめん》に彫《ほ》られた文字を読んでいたが、やがてにっこり笑うと、
「わかりました、かれらはこの贋物《にせもの》の半ペラにかかれた文句にだまされたのです。わしの持っている本物にはね、二つの半ペラを穴のなかに入れると、それより(壁際《かべがわ》に身を避《さ》け)ふたつのメダルを、(長き竿《さお》にて押すべし)と、なっているのです。ところがこの贋物では、それよりただちにふたつのメダルを(強く押すべし)となっています。そのために、海賊王《かいぞくおう》デルマが万一の場合の用意につくっておいた、罠《わな》のなかにおちたのです」
 ああ、それというのも自業自得《じごうじとく》だったろう。
 それはさておき、一同がおとし穴に気をとられているとき、キョロキョロとあたりを見廻《みまわ》していた牛丸平太郎が、突然《とつぜん》、
「あっ」と、素《す》っ頓狂《とんきょう》な声をあげた。
「あれを見い、みんな、あれを見い、えらい宝や、宝の山が吹きこぼれてるがな」
 その声に、弾《はじ》かれたようにふりかえった一同の眼にうつったのは、十字架のかかった翕《きゅう》が真二つにわれて、そこからザクザクと聖壇のうえに吹きこぼれてくる、古代金貨に宝玉《ほうぎょく》の類……ヘクザ館の塔なる聖壇のうえには、みるみるうちに七色の宝の山がきずかれていったのである。……

 四馬剣尺を頭目とする、悪人一味はすべて滅んだ。唯一人、ヘリコプターに乗った波立二のみ
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