やだねえ」
「でやしないというのに……」
「いや、わしは幽霊がでてくるような気がしてなりませんや。課長、その気味の悪い紙包の中には一体何が入っているんですか」
「さあ何が入っているかな、調べてみよう」
 課長は、蜂矢がおいていった紙包の紐をほどいて、机の上にひろげてみた。するとでてきたのは数冊から成る木見雪子学士の研究ノートであった。これは、木見邸に幽霊が現われるようになってから後に、誰が持去ったのか、研究室の卓子《テーブル》の上から消えてしまったものであった。しかし田山課長は、今そのことを思いだしてはいなかった。
「なんだかむずかしい数式をいっぱい書きこんであるね。これは何だろう。おやキミユキコと署名があるぞ。ふふん、するとこれは例の木見雪子の書いたものかな。一体何の研究をしていたんだろう。さっぱり分らんね、このややこしい数式、それから意味のわからない符号と外国語……」
 課長は、雪子の研究ノートを前にして、すっかり当惑してしまったかたちだった。
 が、しばらくして課長は気をとりなおして部厚い雪子学士の研究ノートの頁《ページ》を、ていねいに一頁ずつめくりはじめた。
 そこにならんでい
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