えかと思いながら、無理に芝生に立上り、よろめきながら、現場に近寄った。
二人の姿は、完全になかった。
するとどこかの木蔭へかくれたのかと思い、庭園のあちらこちらを探したが、雪子姉さんの姿はもちろん川北先生の姿さえ、どこにもなかった。生垣《いけがき》をこして、路《みち》へでてしまったが、そこにも姿はなかった。
このとき道夫の叫び声を聞きつけて、隣組の人々がばらばらとかけつけてきた。そして道夫にわけをたずねたので彼はそのわけを一通り話をした。だが誰も生きている幽霊のことや、川北先生が急に消えてしまったことについては信ずる者はなかったが、とにかくどこかにその二人がいるのであろうと、一同は手わけしてそのあたりをくまなく探してくれることになった。
その間道夫は、格闘のあった元の木蔭に戻ってきて、なおよく調べた。彼はその途中、ふと気がついて、八つ手の下に入り乱れてついている、川北先生の足跡をたどってみた。すると不思議な事実が判明した。先生の足跡は、現場以外のどこへも伸びていないのであった。そしてもう一つ不思議なことに、雪子の足跡の方はただの一つも見当らなかった。
隣組の人たちは、さんざん
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