ると二次元世界の生物は、それをどんな風に感じるでしょうか」
 雪子は熱心に語りだした。道夫はだまって聞いている。
「お芋の尻尾《しっぽ》が、はじめて水の表面についたときは、二次元世界では、お芋を小さな点と感じます。分るわねえ。――お芋はだんだん下におち、小さな点だと思ったものはだんだんひろがってきます。つまりお芋と水の交わったところを考えればいいのよ。――別なことばでいえばお芋がはじめて水にぬれた部分のことを考えればいいのよ――二次元の世界の生物は大きくなる円を感じます。お芋の一番|胴中《どうなか》の太いところが水の表面についたとき、二次元世界では、最も大きくなった円を感じるわけね。それから先は、お芋のまわりはでこぼこしているので、その円が妙にうごくように感じます。そうでしょう」
「うん」
 道夫はうなずいた。
「そうだわねえ。そのうちにお芋は大部分が水につかり、だんだん細い方になるもんだから、二次元世界では、円がだんだん小さくなっていくことに気がつく。そして最後に、お芋がすっかり水につかってしまうと、小さな点も消えてしまって、何にも見えなくなる。さあそこでこのお芋の通りすぎたことを、
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