ように勉強もしていないし、あたまもよくないんだからね」
 道夫が悲鳴をあげた。
「まず、幽霊を科学的に証明しておかないと、あたしが今どんな危険なところに立っているか、それが道夫さんにわかってもらえないと思うわ。道夫さん、実はあたしは、その幽霊なのよ。今あたしは、四次元世界を漂流している身なのよ。助けて下さい。ぜび力を貸してあたしを助けだして下さい。一生のお願いですから……」
 と、雪子は姿もおぼろとなり、悲痛な声をはなって泣いて訴《うった》えるのだった。ああなぜ雪子学士は、四次元世界などに踏みこんで漂流するような身の上になったのか。

   幽霊の科学

 しずまりかえった真夜中のことだった。
 光もおぼろの下弦《かげん》の月が、中天にしずかにねむっていて風も死んでいた。
 ぼろぼろの服に身体を包んだ雪子学士のあやしい影が、机のむこうから、悲痛な顔つきでもって、一所けんめいに道夫少年をかきくどいているのだ。
「幽霊を見るのは気のまよいだといわれているでしょう。この世の中に幽霊なんてありはしないといわれているわねえ。でも、幽霊というものは、ないわけではないのよ。道夫さんは今あたしをたしか
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