つな航空がつづく。いかに希有燃料《きゆうねんりょう》ルナビゥムをたくさん使っても、火星においつくまでには、約三ヶ月の日数がかかる計算になっていた。
乗組員たちは、今からたいくつになってはたいへんだと、たいくつをまぎらすための、いろいろな工夫をこらす。
将棋のトーナメント競技を計画して、入会をすすめる者がある。
卓上ベースボールのリーグ戦をするメンバーを募集してまわる者がある。
おとなしいところでは、地球から放送されるテレビジョンによって、これから三ヶ月間に、編物講習を勉強しようと決心する者もあった。
正吉少年が通路を歩いていると、料理番のキンちゃんに、ばったり出会った。キンちゃんとは、しばらく顔をあわせなかった。二人は別に働いていたからだ。そのキンちゃんはにこにこしている。
「キンちゃん、どうしたの。たいへんうれしそうだね」
と、正吉が声をかけると、キンちゃんはいよいよ顔をくずしてげらげら笑い。
「うふッ。ちび旦那《だんな》。わしんところが、えらい人気なんですぜ」
ちび旦那などと、キンちゃんは失敬なことをいう。が、なかなかごきげんよろしい。どうしたわけだろう。
「なにが大
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