くり仰天。
「あっ、あつい、あつい」
「わあ、あつい。助けてくれ」
 とでもいうかのように、目を白黒、からだをゆがめて大地をころがり、どことも知れず、闇の中にみんな姿を消してしまった。


   月人《げつじん》の説


 マルモ隊長をはじめ、救われた人々は、大よろこびであった。
 カンノ博士や正吉たちをとりまいて、感謝のことばをおくった。
「あんなおもしろいことは、今までになかったですよ。あいつらは、今もなお、お灸《きゅう》をからだにくっつけて、『あつい、あつい』と悲鳴を挙げているんだと思うと、おかしくておかしくて……」
 そういって笑いこける正吉少年だった。
 みんなも笑った。
「熱弾が、こんなところで最初の手がらをたてようとは、思わなかったねえ」
 と、この熱弾機銃の発明者であるカンノ博士も、にやにや笑っていた。
「さあ、急いでここを引揚げよう。ああいう敵があると分ればぐずぐずしていられない。みんな急いで装甲車へ乗れ。そして急ぎ本艇へかえるのだ」
 マルモ隊長は、引揚げを号令した。
 掘りだしたルナビゥムは、必要量の三分の一にすぎなかったが、今はそれでがまんするほかなかった。一同
前へ 次へ
全146ページ中83ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング