ずしてはいられない。カンノ博士は一同をひきいて、洞門の外へとび出した。外はまっ暗だった。黒いうるしでぬりつぶしたような暗黒の世界だ。急に夜のとびらが下りたものらしい。
さて探検隊の前途には何があるのか。その恐ろしき怪物の一団とは何物の群であろうか。
トロイ谷《だに》
話は、すこし前にもどる。
トロイ谷《だに》へ向ったのは、マルモ探検隊長のひきいる二十五名の隊員で、九台の装甲車にのっていた。けわしい岩山を、いくたびか上ったり下りたりして、隊員の幹部にはなじみの深いトロイ谷へついた。
一同はしっかりと空気服をしめ直し、地上へ下りた。車の中からは、採掘具《さいくつぐ》がとりだされ、めいめいの手に一つずつ渡った。これは圧搾空気《あっさくくうき》ハンマーに似た形をしていたが、原子力で動くものであるから、長い耐圧管《たいあつかん》もなければ、ボンベもなく、構造はずっとかんたんになっていた。
全く、原子力時代となった故《ゆえ》に、交通機関ばかりではなく、土木も建築も製造工業も、たいへん楽になってしまい、昔の人に聞かせたら、それはでたらめの夢だ、といって信じないであろうことが、
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