これが普通にいう爆弾で、いろいろの大きさのものがある。
重さが十二キロのものは、爆発すると直径が五メートルもある大孔を穿《うが》つ。そして十メートル以内の窓|硝子《がらす》を破損し、木造家屋ならば、もう使用出来ない程ひどく壊してしまう。すこし大きくて重さ二十五キロになると、孔の直径七メートル、五メートル以内にある家屋の堅固な石壁を壊す。五十キロのものでは直径九メートル、百キロの爆弾なら直径が十一メートルの孔を造る。この辺のものになると十メートル以内の堅固な石壁も破ってしまう。更に大きい爆弾で二百キロ、三百キロ、五百キロ、二千キロというようなところまである。各々《おのおの》直径十三メートル、十五メートル、十七メートル、二十メートルといった孔が出来る。
五百キロ、一トンなどという人間の背ほどの大きさの爆弾になると附近に落ちたばかりで、爆発によって生ずる空気の圧力で大きい家屋も粉砕してしまう。命中すると、丸ビルのような大建築物も粉砕するという実に恐ろしいもの。
「まあ、私たちはどうすればいいの?」
妻君が心配そうな顔をして叫んだ。
「そりゃもう、大変なことになる。お前と僕とはチリヂリ別
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