てかえったのは巡洋艦くらいだろう。アクロンもメーコンも、飛行船という飛行船は、遂に飾りものに終ったらしい。愛国機や愛国高射砲を献納した国民は、勇敢に戦った精悍な帝国軍人と共に、永く永く讃《たた》えられるべきだ。わが帝都のこれくらいの損害や、一時米国の手に渡った千島群島くらい、大局から見れば何でもない。戦闘員にも非戦闘員にも同じく、神武天皇御東征当時からの崇高な大和魂が、今日もまだ宿っていたことがわかった。狼狽したり、悲鳴をあげたり、浅ましい策動などをするのは、本当の大和民族の血をうけついでいない連中のやる真似なんだ」



底本:「海野十三全集 第3巻 深夜の市長」三一書房
   1988(昭和63)年6月30日第1版第1刷発行
初出:「日ノ出 付録 國難來る! 日本はどうなるか」
   1933(昭和8)年4月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2005年11月25日作成
青空文庫作成ファイル:
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