か」
博士は、はっとしたようすだった。きゅうにふきげんになった。そして腕時計を見た。
「おお、もう約束の十五分間は過ぎている。会見は終りにします。これ以上、なにもしゃべれません。さあみなさん、出ていってもらいましょう。はじめからの約束ですから」
だんだんと語勢《ごせい》を強くして、博士は手をあげ、戸口《とぐち》を指した。
「わたしのいまの質問は、いちばん重要なものですから、きょうの会見のさいごに、それだけはお答えください」
検事は、くいさがる。
「おたがいに約束は守りましょう。さあ、いそいで帰ってください」
と、博士は、ますますこわい顔つきになって、検事をにらみすえた。
「まあ、もうしばらく待ってください。博士、もしあなたがこの答えをなさらないと、あなたは不利な立場におかれますが、かまいませんか」
「答えることはしない。何者といえども、わしの仕事をじゃますることをゆるさない。じゃまをする者があれば、わしは実力を持って容赦《ようしゃ》なくその者を、外へたたき出すばかりだ」
博士の全身に、気味のわるい身ぶるいが起こった。
蜂矢十六は、このとき検事のうしろに、ぴたりと寄りそって、なにごとかを検事に耳うちした。それを聞くと検事は夢からさめたような顔になって、うなずいた。検事は、博士に向かって、ていねいに頭をさげた。
「たいへん失礼をしました。おゆるしください。それでは、わたしどもはこれでおいとまいたします。また明日、五分間ほどわれわれに会っていただきたいと思いますが、いかがですか」
「ばかな。もう二度ときみたちの顔を見たくない。早く出ていくんだ」
「ああ、たった五分間です。それも博士のご都合のよろしい時刻をいっていただきます」
「いやだ。帰りたまえ」
「すると明日はご都合がわるいのですかな。どこかお出かけになりますか」
「よけいなことを聞くな」
「では、明後日にどうぞお願いします」
「じゃ、明日会うことにしよう。午後二時から五分間、時刻と面会時間は厳守《げんしゅ》だ」
とつぜん博士が態度をかえて、いったんことわった明日の会見を約束した。検事はほっとした。
博士もなんとなくなごやかな顔にもどった。
「では、失礼しましょうや、長戸さん」
蜂矢がうながした。博士に一礼すると、カバンを抱《かか》えるようにして、戸口から外へでた。
さて、その翌日のことだったが、き
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