までの一時間のうちに伯爵たちとれんらくをとること。それから、こういう出会《であい》は、三回かぎりのこと。それがすめば、伯爵たちの側にどんな事情があろうとも、本船は一路本国へひきあげること。
もちろん伯爵の方では、この条件にたいへん不満があったが、船長たちのきげんをこの上わるくしては、もっとわるい条件を出されるおそれがあったので、このへんでだきょうした。
そこで伯爵は、かねて同行してきた連中たちをあつめて、第一回上陸希望者をつのった。
ところが、そういう人たちは、みなこのふしぎな探険に胸をおどらせ、あるいは慾の皮をつっぱらせて伯爵に同行をねがった連中だったから、その大部分が第一回の組にはいりたがった。
けっきょく、くじびきできめることになった。
そのけっか、えらばれた人は、次の十名であった。
まず、団長のセキストン伯爵はくじびきぬきでくわわることに、だれも異存《いぞん》はなかった。
ツルガ博士《はかせ》。これは熱心な考古学者であった。しかし貧乏な人で、パリの一隅《いちぐう》に研究室を持っていた。
このツルガ博士の娘で、ネリという幼い金髪少女。博士の家族は今自分とネリ嬢とた
前へ
次へ
全212ページ中68ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング