ろしでもあげましょうか」
「そうだ。しかし、僕には任務が残っている。我々が救われたいために、傷ついた友人をそのままにしておくことは出来ない」
 ケンは厳粛《げんしゅく》に言いはなつと、今まで熱狂的《ねっきょうてき》にあおいでいた眼をふせて、岬のはずれをふたたび見守った。
「どれ、少し近づいてみよう」
 オールがうごいた。玉太郎は舵棒《かじぼう》をとった。
 爆音は次第に大きくなる。
「島の誰かが合図をするだろう、僕らは今の責務《せきむ》を完遂《かんすい》しようじゃないか」
 ケンは波よりもしずかに云う。
 朝日を受けたその顔には、神々しいばかりのかがやきが見られた。


   あとがき


 恐竜島の長い物語はここで一まず筆をはぶくことにする。
 もう作者はこの後、くどくどと長い続きを書くひつようをみとめなくなったからだ。
 しかし、愛読者諸君は、島に残された人々の運命を知りたいに違いない。そこで、これから後の物語を、作者は簡単に述べることにしよう。
 ケンと玉太郎が発見した飛行機は、二十四人乗りの大型飛行艇だったのである。
 実業家マルタン氏が、島への出発に先立って、十五日しても船が
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