、なんといってもしゃくにさわるな」
モレロは腕をくんだまましゃがみ込んでしまった。
「親方、ピストルをお持ちでしょ」
「うん、持っている。が、ピストルの弾丸《たま》じゃこの岩はびくともしねえよ」
「ピストルで射つんじゃないんです。弾丸《たま》から火薬をぬいて……」
「うん、うん、わかった、わかった、手前はなかなか利口だ」
モレロはにこにこした。ピストルの弾丸の火薬で、爆破しようというのだ。
こういう事は彼等には手なれた仕事だ。
モレロは弾《たま》をぬき出すと、その仕事にかかった。
向うのすみから恐竜の子供たちが、首をそろえてこっちをみている。ミャア、ミャアと悲しそうな鳴き声をあげていた。
突然、
「ダーン!」
という音がした。音は岩の洞窟の中をはしりまわり、あちらこちらの岩肌にはねかえり、ぶつかりあいしてだんだんと大きくなっていった。
だから海の外にこの音がながれ出た時には、地雷が爆発したような、どえらい音をたてたのである。
海水をあびて、朝の空気を楽しんでいた恐竜どもがびっくりして首をあげた。
中の一匹がわずか出てくる火薬の匂をかぎつけたのか、三人がしのんでいる洞
前へ
次へ
全212ページ中204ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング