向《おもてむ》きは南海の孤島《ことう》の調査ということになっているが、本当はキッドの宝物をさがすのが目的だったんだ」
「へーえ」
「船長セキストン伯は、何かの記録から、キッドの宝物がここにかくされていることを知ったんだ。それで第一回の探検をやった。宝はたしかにあった。しかし恐竜のために命からがら逃げだして、宝物どころの騒ぎじゃなかったんだ。こりゃおめえも知っているだろう」
「へえ、団長一人が救かったといいやしたね」
「セキストンにしてみりゃ、その宝が手に入らなかったのは、返すがえすも口惜《くや》しい、なんとかして、それを手に入れようと思ったんだ」
「なるほど」
「ところが、それを俺が知ったという、はじまりなんだ」
「へえ」
「港の酒場で、俺が話に聞いたキッドの宝物のことを話していたら、ぽんと肩をたたく奴があるじゃねえか」
「ええ、え」
「それが奴だったのさ。お前はキッドの宝がどこにかくされているかを知らんだろうが、俺はそれを知っている。しかも実際にこの眼で見たというんだ」
「……」
「はじめは、俺もこの爺《じい》さん、かわいそうに少し頭にきているなと思ったんだ。だから相手にもしなかった
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