険もありません」
ケンは二枚着ていたシャツの一枚をラウダにあたえた。ダビットはポケットからはさみを出してラウダの髪をかった。
「こうすると、いささか人間らしくなる」
ラウダは大喜びだった。
「ラウダ君、君はどうしてここに住んでいるんです」
みんなが落着いてからケンが質問の第一をはなった。
「ラツール記者からもきかれたことですが、お話しましょう」
ラウダは奥から薯《いも》だとか、椰子《やし》の実をかかえてきた。それをきったり、焼いたりして食べるのだ。
「ゆっくり食事をしながら聞いて下さい」
ラウダは、みんなの眼が、自分に集中されているのを感じながら、ゆっくり話しはじめた。
「私はロンドン博物館に勤めていた者です。五年前、そうです、ちょうど五年前です。セキストンという人が探検隊を組織いたしました。彼は別に目的があったのですが、当時のその探検団の企画《きかく》は南の孤島《ことう》に住む生物を研究するということでした。私は理学も動物の方を研究していた者ですから、喜んで参加いたしました。そしてこの島にやって来たのです」
「セキストン伯のねらっていたのは、生物ではなく、この島にかくされて
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