餌《え》にしません。象のようなものです。草と小さな魚を食事にしているのです。けれどその力は強く、いちど怒ったら巨船《きょせん》でもうち沈めるだけの事をやります。おとなしい割に兇暴《きょうぼう》な一面をもっています」
ラウダが説明してくれた。
「さあ、僕の洞穴に来るか、この船のキャビンへ御案内しましょうか」
玉太郎たちは疲れている。安全なところで一眠りしたいのが一番ののぞみだ。
「では少し歩きますが、私の洞穴にいらっしゃい。食事もあります。火もあります」
ラウダにつれられて、一同は洞窟の湖の方をめぐりながら、例の洞穴にむかった。
洞穴は四|米《メートル》四方の部屋が二つつながっている。まわりは腰をおろすに具合よく岩がけずられていた。そこは寝台にもなる。奥の部屋の中央には、小さい炉《ろ》が切ってあり、枯木がチロチロ燃えていた。から缶がかけてあって、白い湯気《ゆげ》を上らせながら湯がわいていた。
天井に具合のよい窓明りがあって、そこから光が太い帯をなして流れこんでいた。
ラウダは小さい缶に湯をうつし、一同にふるまった。
「ここは僕の住宅です。恐竜の心配もないし、雷雨《らいう》の危
前へ
次へ
全212ページ中165ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング