きくまがり、やがて外の大海につながっているのだろう。
かくされた神秘《しんぴ》の大洞窟にねむる怪船である。
「あ、ポチだ!」
犬のほえ声が、ガンガンとひびいた。
「ケン小父さん、ダビットさん、張さん、あそこだ」
玉太郎が右手をあげた。
今四人が出て来た横穴の前は、幅《はば》五十センチ位の道になっている。それが自然の階段をつくって、洞窟の天井にのぼっているのだ。その天井から、まずポチがおりて来た。
「おお、あすこだ」
四人は歩きだした。
「あ、ラツールさんだ」
ポチからおくれて、ラツールの姿が見えた。
そのラツールのあとから、これは、この世の者とも思われない怪奇な、すさまじい姿をした怪人があらわれた。
「何だあれは?」
ケンも、ダビットもそれから張も、もちろん玉太郎も冷水をあびせかけられたように、ぞっとして立ちすくんだ。
島には恐竜の外に、別の恐怖があったのだ。
スペイン時代の遺物としか思われない帆船と、怪人!
「あれがラツールの云っていた島の住人なのか」
張が落ちついた静かな声で云った。
ブラック・キッドの宝《たから》
まず飛んで来たのはポチだった
前へ
次へ
全212ページ中162ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング