来て、ジュリアを抱き起した。
「ジュリアさん。どうしたんです。しっかりしなさい、ジュリアさん」
 ジュリアはまるで意識がなかった。
「早く医者を呼んで……」
 青竜王は誰にともなく命じると、そのままジュリアを抱《かか》えあげて、とっとっと三階の彼女の部屋にまで運んだのであった。
 扉《ドア》をあけて入ると、室の中央にはいつになく大きなソファが出してあり、その上には真白の絹の布《きれ》がフワリと掛けてあった。
「ああ、これがジュリアの覚悟《かくご》だったんです」
 そういって青竜王は、ジュリアをソッとその白絹《しろぎぬ》の上に横たえた。――右の上膊《じょうはく》に、喰い切ったような傷口があって、そこから鮮かな血を噴《ふ》いているのが発見されたのもこの時だった。傷口は直ちに結ばれたけれど、それは彼《か》の深傷《ふかで》にとって、何の足しにもならなかった。
 近所の医師が、看護婦を連れて飛びこんで来て、早速《さっそく》診察をしたけれど、その後で医師は不機嫌に首を振って、一語も喋《しゃべ》ろうとはしなかった。
「ジュリアさん。僕が分るかい。僕は一郎だよ」
 といって、青竜王はジュリアの額を撫《
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