女を、秘密室のあるダンス場めぐりに連れ出したのだった。それから四五日経って、C子は逆に僕を挑《いど》んだのだ。だが僕は素気《そっけ》なく拒絶した。拒絶されると反《かえ》って嵐のような興奮がC子の全身に植えつけられたのだった。すべて僕の注文どおりだった。其の翌日、僕は、六ケ月かかって発酵《はっこう》させたC子という豊潤《ほうじゅん》な美酒《びしゅ》を、しみじみと味わったことだった。
こうして僕が味わった女の数は、百を越えている。こんなことを、貞操蹂躙《ていそうじゅうりん》とか色魔《しきま》とか云って大騒ぎする奴の気が知れない。『洗滌《せんじょう》すれば、なにごともなかったと同じように清浄になるのだ』とロシアの若い女たちは云っているじゃないか。それに違いない。誰もが、徹底して考えて実行すればいいのだ。そりゃ中には捨てた女からピストルをつきつけられることもあるが、何でもない。万一射ちころされたとしても散々《さんざん》甘味《うまみ》な酒に酔《よ》い痴《し》れたあとの僕にとって『死』はなんの苦痛でもなければ、制裁とも感じない。僕の家の机の上にはふくよかな肘突《ひじつき》があるが、その肘突の赤と
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