ってコードにさわって調べてみたら、案外ちゃんとしているので、安心した。そして早速残りの部分にエナメルを塗った。どうやらこれで当分は大丈夫のようである。
十二月二十五日
◯昨夜はクリスマスの前夜だから、敵機はこないんじゃないかと思っていたところ、午前二時半になってちゃんとやってきた。しかも三回やってきて廷べ四機。五時四十分にようやく警報解除となる。一回は南方に焼夷弾を落としていった。敵の戦意も相当のものじゃ。
◯夜間の空襲はせいぜい一時間でケリがついたのが、一昨日から敵は三回つづけてきて三時間半ばかりを稼いで行くので、こっちはまた眠り方の変更をしなければならなくなった。
昨夜は原稿を書き了えて床に入ったのが十時過ぎ。どうせ敵はくるだろうと、そのままの服装で寝る。きたのが午前二時半。服装の関係で、起きるのは楽だ。敵機去り、警報の解けたのが午前五時四十分。もう朝の放送は始まっており、空が東よりの半分だけ白んでいた。そのまま防空壕で眠る。寝苦しくて、身体が痛い。あっちこっち寝返りを打っているうちに、英が起こしにきた。「もう十時を過ぎましたよ」と上から声がかかる。いつの間にか四時間ほど眠っ
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