北九州
昼 十六目標 鹿児島、宮崎、四国西南部
14日 朝 四〇〇 名古屋
今度は東京市街爆撃に四百機が廻ってくるだろうと、皆覚悟しているが、まだ来ない。
名古屋は昼間の強襲に加え、翌夜にはさらに百機が来襲した。
名古屋地方は、来襲頻度が多いわりに、被害がすくないのは、防空、防火の用意よろしく、天井などは早くから取除いてあったためである。
しかし四百機の来襲で、金鯱《きんしゃち》の名古屋城天守閣も焼失した。大きな建築物の受難時代である。敵は三キロ焼夷弾を使い出した。
◯このごろ壕内へ持込むものは、次のようなものだ。
御神霊、財産に関する書類、写真機、平常洋服、蒲団、昌彦[#三男、腎臓病で横臥中]の尿壜、衣料リュック。
◯沖縄地上戦況は数日前より重大化す、との報道。又とられるのか、と憂鬱になる。
今後は一体どうするのか。
分っているじゃないか――というわけだが。
◯この頃「しかし」という言葉がいやになった。ラジオの報道で、初めいい話を聞かせておいて「しかし」と来る。このあとは、あべこべの悪材料悲観材料の展開だ。「しかし」がいやになっ
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