んと男の子だ」
昌彦[#三男]「わしはおじさんだ」
◯「育郎」という名前がついた由。七百八十五匁。

 二月八日
◯雪あがり、どんどん融け始む。
◯いよいよ時事通信甲府版の「超人来る」執筆を始む。第一回を漸く書きたるのみ。
◯昼間停電、うちを始め四軒だけの停電と分る。蒲田氏のところにてヒューズの太いのを入れしため電柱上のキャッチのヒューズ切れと覚えたり。当日おひる頃同氏邸にて工事なし、電気を切りしらしく松原氏ヘ「お宅は停電しませぬか」ときき合わせたるナッパ服の人ありとの事。
 右につき、英《ひで》、松原夫人行きて話をなせしが、蒲田夫人仲々これを承服せず、雪のため切れしものにて宅に失敗はなしとの強論ありしが、結局昼間のナッパ服の人現われ、キャッチを直して午後六時半頃、電気つく。
◯佑さんのところの「蝿男」出版につき、初校をなす。(自由出版社)

 二月十二日
◯小栗虫太郎二月九日夕六時脳溢血にて倒れ翌十日午前九時死去す、断腸痛惜の至りなり、花を咲かす一歩手前にて、巨星の急逝は痛恨の次第なり。
  雪折れの音凄じや大桜
 享年四十六歳。
 新探偵雑誌LOOKに、江戸川さんと共に追悼文を書く
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