、くたびれ果てて、泥のように眠った。むし暑い夜。
八月十二日
◯十日米英、首都において緊急会議開催と、朝刊が報じている。和平申し入れが討議されているものと思われる。
いかなる条件を付したかわからぬが、国体護持の一点を条件とするものらしいことが、新聞面の情報局総裁談などからうかがわれる。
午後二時迄に、その返答が米英から届くそうだと、新田君が来ていう。
◯とにかく、遂にその日が来た。しかも突然やって来た。
どうするか、わが家族をどうするか、それが私の非常な重荷である。
◯女房にその話[#家族全員で死ぬこと]をすこしばかりする。「いやあねえ」とくりかえしていたが、「敵兵が上陸するのなら、死んだ方がましだ」と決意を示した。
それならばそれもよし。ただ子供はどうか?
子供も、昨日のわが家の集会を聞いたと見え、ある程度の事情を感づいているらしい。「残っているものを食べて死ぬんだ」といったり「敵兵を一人やっつけてから死にたい」という晴彦。
青酸加里の話まで子供がいう。私はすこし気持ちがかるくなったり、胸がまた急にいたみ出したりである。
暢彦[#次男]は学校で最近「七生報国《しちし
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