ら》わるるような見ぐるしき最期は遂げまい。
わが祖先の諸霊よ! われらの上に来りて倶《とも》に戦い、共に衛《まも》り給え。われら一家七名の者に、無限不尽の力を与え給わんことを!
◯夕刻七時のニュース放送。「ソ連モロトフ人民委員は昨夜モスクワ駐在の佐藤大使に対し、ソ連は九日より対日戦闘状態に入る旨の伝達方を要請した」由。事はかくして決したのである。
これに対し、わが大本営は、交戦状態に入りしを伝うるのみにて、寂《せき》として声なしというか、静かなる事林の如しというか……
とにかく最悪の事態は遂に来たのである。これも運命であろう。二千六百年つづいた大日本帝国の首都東京が、敵を四囲より迎えて、いかに勇戦して果てるか、それを少なくとも途中迄、われらこの目で見られるのである。
最後の御奉公を致さん。
今日よりは かえり見なくて
大君の 醜《しこ》の御楯《みたて》と
出で立つ われらは
◯暢彦が英に聞いている。
「なぜソ連は日本に戦争をしかけて来たの?」
彼らには不可解なことであろう。
ふびんであるが、致し方なし。
八月十日
◯今朝の新聞に、去る八月六日広島市に投弾さ
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