め、交戦中なり」とラジオ放送が伝えた。
ああ久しいかな懸案状態の日ソ関係、遂に此処に至る。それと知って、私は五分ばかり頭がふらついた。もうこれ以上の悪事態は起こり得ない。これはいよいよぼやぼやしていられないぞという緊張感がしめつける。
この大国難に最も御苦しみなされているのは、天皇陛下であらせられるだろう。
果して負けるか? 負けないか?
わが家族よ!
一家の長として、お前たちの生命を保護するの大任をこれまで長く且ついろいろと苦しみながら遂行して来たが、今やお前たちに対する安全保証の任を抛棄するの已《や》むなきに至った。
おん身らは、死生を超越せねばならなくなったのだ。だが感傷的になるまい。お互いに……。
われら斃《たお》れた後に、日本亡ぶか、興るか、その何れかに決まるであろうが、興れば本懐この上なし、たとえ亡ぶともわが日本民族の紀元二千六百五年の潔ぎよき最期は後世誰かが取上げてくれるであろうし、そして、それがまた日本民族の再起復興となり、われら幽界に浮沈せる者を清らかにして安らかな祠《ほこら》に迎えてくれる事になるかもしれないのである。
此の期に至って、後世人に嗤《わ
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