に異様な凶器《きょうき》を持ち、目玉をむき出し歯をむき出して、怒れる野獣群のように僕を目がけてとびついた。
 何條《なんじょう》もってたまるべき、僕はたちどころに惨殺《ざんさつ》されてしまった――。
 ちりちりちりちりン。
 警鈴《けいれい》が鳴っている。
 僕は目を見開く。まぶしい金属壁《きんぞくへき》の反射である。
(ほう、ここは見覚えのあるタイム・マシーンの中だ!)
 と、気がつく折しも、この金属壁の一部がぽかりと四角にあいて――そこが扉だったのだ――外からこっちを覗きこんだ者がある。
「あッ、君は……」
 覗きこんだ男こそ、辻ヶ谷少年だった。僕をこのタイム・マシーンの中に入れてくれた、同級生の辻ヶ谷君だった。
「おう、君。もういいだろう。出たまえ」
「いやだ。今が大切なんだ。もう一度二十年後の世界へ僕を戻してくれ。君も知っているじゃないか、僕は今トロ族に殺されて……」
「何をいってるんだ。うわごとはそのくらいにして、こっちへ出て来たまえ。足がどうかしたんなら手を貸してやろうか」
「だめ、だめ。絶対に下《お》りない。ねえ君、頼むよ。今非常に大切なところなんだ。僕がたとえ何十回ここ
前へ 次へ
全184ページ中154ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング