か、土煙のために見えなかった。
トロ族の叫び。僕のまわりから、また土煙のたちのぼる地底からも、あわれな叫喚《きょうかん》があがって来た。
「また陥没《かんぼつ》だ。ひどいことをしやがる」
オンドリの声は、前よりもずっと興奮《こうふん》している。
僕は目を蔽《おお》いたかった。僕は出来るならすぐさまその場を逃げ出したかった。だが、そうすることは不可能だった。僕はどの道を行けば、カビ博士の待っているところへ行けるのかを知らない。――オンドリが、僕の手をつかんだ。
「あの声を聞け。トロ族の呪《のろ》いの声を聞け」
そういって彼は、僕の耳にゴムまりを半分に切ったようなものを、ぺたんとはりつけた。するとそれまでは、ただわあわあ、ぎゃアぎゃアとばかり聞こえていたトロ族たちの叫喚が、とたんに言葉になって僕に聞こえた。
「ヤマ族の悪魔め! また、やりやがった」
「もうかんべんならん。海底都市へ進撃して、ヤマ族をみな殺しだ」
「そこに立っているヤマ族の一人を、まず血祭《ちまつ》りにぶち殺せ」
「そうだ、そうだ。やっつけろ」
僕は背中が寒くなった。
暴民《ぼうみん》どもだ。彼らのいっていること
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