者たちのまん中へ入りこんでもらいたいね。通信機もここに用意してある。彼らの正体をつきとめてくれたまえ、そしてわれら海底都市に対して何を行うつもりか。われらと平和的に妥協《だきょう》するつもりはないか。それから、出来るなら、彼奴らの生活の弱点などというものを見て来てもらいたい。さあ、そうときまったら、この潜航服《せんこうふく》を着せてあげよう」
 博士はいつの間にかメバル号を海底に停止させていた。そして座席から立上って、僕の衣《ころも》がえをうながした。


   海底を行く


 へんなことになった。
 カビ博士と名のる辻ヶ谷君の切《せつ》なる頼《たの》みにより、僕は海底ふかく分け入って、凶暴《きょうぼう》なる未知の怪生物族を探し、それと重大なる談判《だんぱん》をしなくてはならない行きがかりとはなった。
 カビ博士は、僕にきせた潜航服をもう一度めんみつに点検して、異常のないのをたしかめた後、僕に門出《かどで》の祝福《しゅくふく》をのべてくれた。
「じゃあ、行ってくるよ」
「しっかり頼んだよ」
「なんか異変があったら、すぐ救い出してくれるんだよ。いくら僕がこの海底都市では幻の人間だといっ
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