った。おお辻ヶ谷君よ。早く僕を時間器械の力でもって、元の焼跡の世界へもどしてくれたまえ。ぐずぐずしていると、僕はここで土佐衛門《どざえもん》になってしまうであろう。
またずぶずぶともぐりこんで、そこで手足をだらんとして浮力《ふりょく》が勝って身体の浮きあがるのを千秋《せんしゅう》のおもいで待った。ようやく浮き身がついて、身体がすううっとよっていった。僕は例のとおり頸を曲げ、唇を一番高い位置へつきだして、水面へ唇が一刻も早く出ることを願った。ところが唇は水面へ出るかわりに、冷たい硝子天井に触れた。
いつの間にか、水面と硝子天井とがくっついてしまったのである。水面と硝子天井との間に残っていたわずかの空気層がなくなってしまったのである。水はついに硝子天井についたのである。ああもう吸うべき空気がなくなった。
(本当か。僕をここで溺死させるつもりか。なんという憎むべき悪魔!)
僕はもうやぶれかぶれだった。
拳《こぶし》をかためて、硝子天井をどんどんつきあげた。頭を天井にぶつけてみた。硝子天井は厚い。そんなことでは破れそうもない。僕はついに身体をさかさまにして、両脚に全身の力をこめて、硝子
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