左へ曲る。気がついてハッとすると、不自然にギクリと首を右へ曲げる。――これだ、これだ。
あの、首を振り過ぎる女が、求める副司令なのだッ。しめた!
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(しめた)と喜んではみたが本当に喜ぶにはまだ早かった。何故なら彼女は他の九人と同じ「木製《もくせい》の兵隊さん」だった。どれが彼女の名前やら判らない。
(弱った。やはり呪《のろ》いのプログラムだッ)
弦吾は、改めてプログラムを呪った。
そうこうする裡に同志百七十一名の生命は、刻々《こくこく》に縮《ちぢま》ってゆく。そうだ、こうしては居られない。
(例の試みをやってみるか)
彼は暫《しばら》くプログラムの表面を見ていたが、今の「木製の人形」に出ている十人のレビュー・ガールの名前を胸のうちに諳《そら》んじた。
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六条《ろくじょう》 千春《ちはる》 平河《ひらかわ》みね子 辰巳《たつみ》 鈴子《すずこ》 歌島《かしま》 定子《さだこ》 柳《やなぎ》 ちどり 小林《こばやし》 翠子《すいこ》 香川《かがわ》 桃代《ももよ》 三条《さんじょう》 健子《たけこ》 海原《かいばら》真帆子《
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