や、「魔の空間」が人間の目によく見えるので、戦うにはたいへん不利だった。
 帆村は、かねて用意したとおり、この緑鬼どもを、宇宙線遮蔽をしてある檻の中にぶちこんだ。宇宙線遮蔽がしてないと、彼らは宇宙線からエネルギーをとって、おいおい元気を取りもどすから、宇宙線は、彼らがかろうじて生きていられる程度の、少量に下げておく必要があった。
「よし、これでいい。これだけ緑鬼どもが手にはいれば、こん度こそ、すっかり緑鬼の正体をあばいてみせるぞ」
 帆村は、大きな獲物のはいった檻を前にして、はじめて会心の笑《え》みをもらしたのであった。
 それから帆村の研究所は忙しくなった。活発な研究がはじまったのである。
「魔の空間」の材料に関する試験と、研究が進められた。またミミ族の一人一人を解剖して、その正体をさぐった。この前は、解剖の寸前に逃げられてしまったが、こん度は宇宙線を遮蔽した、特別の構造を持った解剖室で行ったので、逃げられる心配はなかった。
 この解剖は、人体の解剖とちがい、メスのかわりに、ドリル(孔《あな》をあける機械)や酸水素高温焔器や、火花焼切器などの工作機械が使われ、解剖台の上に、赤い血液が
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