しい震動がぴたりととまってしまったんだ。震動がとまれば、当然われわれ人類の目に見えるわけだ。『魔の空間』にしろ、ミミ族にしろ、震動していればこそ、われわれの目に見えないのだ。だから理窟はわかるだろう」
帆村は説明してやった。
「すると、この前鉱山で解剖されかけた、ミミ族が、急に空中へとびあがり、姿が見えなくなったのは、そのときやっぱり震動を起したからですか」
「そうだ。解剖の前までは、あの緑鬼は仮死状態になっていたのさ。そのうちに、地上を飛んでいる宇宙線を吸って体力を回復《かいふく》し、空中へとび上ったのだ、そして身体の震動が一定のはげしい震動数に達したとき、われわれの目にはもう見えなくなったのだ」
「ふしぎな生物ですね、ミミ族は……」
「いや、今わかっているのは、彼らのほんの一部がわかっているだけにすぎない。ほんとうの正体は、これから探しあてるのだ。……ほら、いよいよ『魔の空間』が地面に激突するぞ」
ものすごい光景が、起るだろうと予想していた者は、あてがはずれた。「魔の空間」は、すこしばかり土煙をあげ、二三度|弾《はず》んだだけで、あとは丸パンを置いたように、ふくらんだ上部はその
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