えで、ここを脱出しましょうか」
「いや、それはいかん。それを知ったら、ミミ族はどんな手段をとっても、君たちをここからださないよ。無断でいくのがよろしい」
さすがに望月大尉であった。ちゃんとなにもかも見とおしていた。
脱出決行
一方、竜造寺兵曹長を救いだすことであったが、これは帆村と山岸少年の二人が力をあわせて決行した。
竜造寺兵曹長は、一人牢の中にいれられていた。そのわけは、兵曹長はここへとびこむと、たいへん怒って、ミミ族を相手にさんざんあばれたのだ。それがために兵曹長は、重傷を足に負い、出血多量で人事不省になってしまった。そこでミミ族は、ようやく兵曹長をかついで、一人牢の中へ移すことができた。
帆村は、竜造寺兵曹長の一人牢のあるところを知っていたので、そこへ山岸少年をつれていった。
兵曹長は、いきなり日本人の顔が二つ現れたのでおどろいた。しかもよく見ると、その一人は帆村であったし、もう一人は自分の上官の愛弟であったから、夢かとばかりよろこんだ。
だが双方は、手を握りあうわけにいかなかった。その間には透明な壁があって近づくことができなかったのである。しかも一方から
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