かかろうというのだった。
 帆村は、この二つのことのために、また新しい活動をはじめなければならなかった。
 望月大尉と山岸中尉が会うことは、それほどむつかしいことではなかった。ミミ族は、望月大尉以下の地球人間を、完全に「魔の空間」に捕らえていると信じていたので、この空間の中で彼らが会って、なにを語りあおうと、たいしたことはないと考えていた。
 山岸中尉は望月大尉に会うと、脱出計画のことを報告して許可をもとめた。大尉はもちろんそれを許して、
「まあ、よく注意をしてやってくれ」
 と言った。
「隊長はどうせられますか」
 と、山岸中尉がきくと、大尉は、
「おれたちは、しばらくここに残る。いささか考えるところがあるからな」
「はあ、なぜですか」
「皆ここを抜けでていってしまうと、せっかくミミ族とつきあいの道ができたのに、ぷっつり切れてしまうからなあ」
「でも、危険ですぞ、あとに残っておられると……」
「まあいい。おれにも考えがある。それに児玉班員は、なかなか外交交渉が上手《じょうず》だから、おめおめミミ族にひねり殺されるようなことにはならんだろう」
「では、われわれも一応ミミ族の同意をえたう
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