夫である上に、よく伸縮しますから、これを切り開くことはなかなかむつかしいと思います。この前は、わが噴射艇彗星号が全速でもって、『魔の空間』の壁にぶつかったが、ぐうっと押しかえされてしまいましたからね」
帆村は、あのときのことを思い出して、脱出のむつかしいことをのべた。
「機関銃で撃ってもだめですか」
さっきから黙って話を聞いていた山岸少年が、口をはさんだ。
「機関銃弾では、おそらくだめだろうね。しかし、君はいいことを言ったよ」
と、帆村は山岸少年の方を見て、にっこりした。少年は目をぱちくり。
「機長、思いきって、こういうことをやってみてはどうですか。そのかわり失敗すれば、私たちは、たちどころに命を捨てなければなりません」
そう言って、帆村が語りだした脱出方法というのは、艇《てい》に積んである爆弾を、全部一箇所にまとめ、これを爆発させるのである。するとうまくゆけば、「魔の空間」に穴が明《あ》くかもしれない。穴が明くものとして、その穴めがけて、艇は全速力で空間の外へとびだすのである。
もし穴が明かなかったら、そのときは艇は、「魔の空間」のつよい壁に頭をぶっつけ、この前やったように
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