ミ族の一人を捕らえて解剖してみるしかない。

   血路《けつろ》は一つ

 山岸中尉は、帆村の説に半信半疑であったが、しかしさしあたり帆村の説をほんとうとして、万事やるよりほかないと思った。つまりこの「魔の空間」についても、またミミ族についても、彼よりも帆村荘六の方がはるかによく観察しているし、考えの深いことも尊敬に値した。
「なんとかして、ここを脱出したい、そして一刻も早く地上の本隊へ報告したい。どうすればここを脱出できるか」
 山岸中尉は、帆村の顔を見て、意見をのべるよううながした。
「それはむつかしい問題ですよ」
 帆村は正直に言った。はじめ「魔の空間」を征服しようとして突撃したのに、あべこべに「魔の空間」にこっちが征服されてしまったのだ。だからこれを破って、自由になることは、なまやさしいことではない。
「それはわかっている。しかしわれわれは一刻も早く、ここを脱出しなければならぬ」
 山岸中尉は、きっぱり言った。軍人という者は、自分にあたえられた任務をやりとげるために、いかなる困難にぶつかろうと、それを突破して進まねばならぬのだ。
「なにぶんにも、『魔の空間』の壁はひじょうに丈
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