、帆村は額に手をあてて言った。
「生きている高等金属、金属は死んでいるものだ。金属が生きているとは思えない。帆村班員の説は納得できない」
山岸中尉は、はっきり反対した。これは山岸中尉でなくても、誰もそう思うだろう。
ところが帆村は顔をあげると、首をもう一度、強く左右に振って見せ、
「前にもいいましたが、ラジウムやウラニウムは、放射線をだして生体をかえていく。これも一種の生活がいとなまれているといえないことはないです。わが地球には、ウラニウム以上の重物質はない。しかし他の天体には、これ以上の重物質、生気溌溂《せいきはつらつ》というか、ぴんぴん生きている物質があるのではないかと思う。そういう高等金属は、一種の思考力を持つこともできるように思うのです。それはいったいどんな経過を通って、どうして行われるか、そいつは今のところ、われわれ地球の人間にはわかっていない。ただそういうことがありそうだ、と思われるだけである」
帆村の口調は、いつとはなしにきびしいものとなっていた。そして彼の顔つきが、なんとなく人間ばなれがして見えた。
ほんとうであろうか、帆村の推論は……。これをたしかめるには、ミ
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