すか」
「さっぱりわかりませんね。ジャンガラ星なんて遊星があることなんか聞いたこともありません。もちろん宇宙旅行の案内書にも、そんな名は出ていなかった。きみはでたらめをいってるんじゃないでしょうね」
「でたらめなもんですか。そのしょうこに、きみは、げんにこうしてわがジャンガラ星の上で呼吸をし、ジャンガラ星の人間で.あるわたくしと話をしている。これでわかるでしょう」
「いや、なかなかわかりません」
「じゃあ、きみにわからせるためには、どういうことをしたらいいか……」
「それはこうすればいい。早くぼくを外へつれ出して、ジャンガラ星を案内してください。さあ、すぐ出かけましょう」
「だめです。出かける前に、きみは歩き方から練習しなければならない。でないと大けがをするにきまっている……。出かけるのは、もっともっと先のことです。とうぶん、そこに寝ているがいいです」
そういうと、植物学者カロチは立ち上って、すたすたと部屋を出ていった。第三の手で、はげ頭のてっぺんをごしごしかきながら……。
くしゃみ事件
「これが夢でないとすると、たいへんなことになったもんだ」
川上のポコちゃんは、白
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