宇宙の迷子
海野十三

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)探険《たんけん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)三色|版《ばん》写真の

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)千九百七十[#「千九百七十」に傍点]

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   ゆかいな時代


 このゆかいな探険《たんけん》は、千九百七十[#「千九百七十」に傍点]何年だかにはじめられた。いいですか。
 探険家はだれかというと、川上一郎君、すなわちポコちゃんと、山《やま》ノ井《い》万造《まんぞう》君、すなわち千《せん》ちゃんと、この二人の少年だった。
 川上君は、顔がまるく、ほっぺたがゴムまりのようにふくらみ、目がとてもちいさくて、鼻がとびだしているので、まめタヌキのように、とてもあいきょうのある顔の少年だ。タヌキはポンポコポンであるから、それをりゃくして川上君のことを友だちはポコちゃんとよんでいる。とてものんきな、にぎやかな子どもだ。
 山ノ井君のほうは、顔が丸くなく、上下にのびていて、頭は大きく、あごの先がとがっていて、どこかヘチマに似《に》ている。ヘチマ君とよばな
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