ほとんど同時に、難破した新コロンブス号の一つの窓に何か字をしたためてある一枚の紙がはりついているのを発見した。そしてそのうしろに、りっぱな艇長の服をきているがい[#「がい」に傍点]骨が立っていて、
「お前たち、早くこれを読めよ」といっているようであった。どうやらそれはロゴス氏のがい[#「がい」に傍点]骨らしい。
 がい[#「がい」に傍点]骨がまもっているその一枚の紙にはたしてどんなことが書いてあったろうか。


   がいこつ[#「がいこつ」に傍点]の警告


 がいこつ[#「がいこつ」に傍点]艇長が、こっちを向いて、紙に書いたものを「ぜひ、これを読め」というように、こっちへ見せているのだ。
 山ノ井も川上も艇長服を着たがいこつ[#「がいこつ」に傍点]には、びっくりして顔色をかえたが、わけのありそうながいこつ[#「がいこつ」に傍点]艇長のようすに、こわいのをがまんして、紙きれに書いてある文句をひろって読んだ。
 それは、つぎのような文章であった。
[#ここから1字下げ]
――ここは宇宙の墓場だ。けっして乗物のエンジンをとめるな。エンジンが動かなくなるとわが新コロンブス号と同じ運命になろ
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