《はやぶさ》のように猛然と怪塔ロケットのあとを追いましたが、相手はぶるんぶるんと首をふりながら、遂に海中にどぼんとおちてしまいました。
「あっ、怪塔ロケットが海の中にもぐりこんだぞ」
「いや、墜落したのだ。早くあの真上までいって見よ」
 どこかに飛去るかとおもわれた怪塔ロケットが、いきおいもついにおとろえたか、そのまま太平洋の波間にしずんでしまったものですから、塩田大尉以下はめんくらったかたちです。
 偵察機は、海面すれすれのところまでおりて、怪塔ロケットが見えるかどうかとさがしました。しかし黒い海は、どこにロケットをのみこんでしまったか、けろりとしていました。
 しかたなく塩田大尉は、全機をすこし遠方にひきはなし、海面ひろく警戒をするように命令しました。それは怪塔ロケットが、いつ波間からとび出してくるかもしれない、と思ったからでありました。
 しかし怪塔ロケットは、ついにふたたび姿を見せませんでした。
 そして暮れかかっていた空は、どんどん暗くなっていって、とうとうまっくらな夜になってしまいました。
 こうなっては、怪塔をさがすことができません。塩田大尉はざんねんにおもいましたが、や
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